


「2500万円を借りたときの返済方法を、いくつか考えてみましょう」ときぃむら君
50歳になってはじめて『マイホーム購入』を考え始めた家星夫妻。頭金500万円、住宅ローン2500万円で、3000万円程度の新築マンションを手に入れたいと思っています。
でも、毎月の返済が負担にならないからと長期返済を考えて、かえって退職後の家計が大変になりそうだったり、10年という短期返済で試算して毎月返済が負担になりそうだったり。バランスのとれた資金計画を立てることができないようです。
「私たちには、どんな返済方法が合っているんでしょうか?」
と夫の伊蔵さんは、困り果てた様子です。
「同じ金額を借りても返済方法は他にもいろいろあるんですよ。いくつかの方法をシミュレーションしながら、安心できる返し方をいっしょに考えていきましょう。私にお任せください!」
きぃむら君はにっこり笑って、どんと胸を叩きました。
QUESTION@ 「返済期間を長めにしたうえで、退職後の負担も軽くできませんか?」と伊蔵さん
<作戦1 退職金で残債を返済>
「毎月の生活で無理をするのは不安なので、返済額は少なめになるようにしたいんです。返済期間を長めにしたうえで、退職後の負担もなんとか軽くできないものでしょうか」
と、伊蔵さんは、すがるような目できぃむら君を見つめます。
「そうですねえ。長めの返済期間で借りておき、10年後の退職の時に退職金で残債を返済する作戦を考えてみましょうか。伊蔵さん、退職金はいくらくらいになりそうか、わかりますか?」
きぃむら君が提案する作戦で安心な資金計画が実現するかどうかは、伊蔵さんの退職金の金額にかかっています。
伊蔵さんが、
「去年退職した先輩が2000万円だったそうなので、私もそれくらいはもらえると思います」
と答えると、きぃむら君はさっそく返済計画のシミュレーションを始めました。
「返済期間が30年なら60歳になったときのローンの残りは約1898万円、20年返済なら約1465万円ですね」
きぃむら君から告げられたシミュレーション結果を聞いて、伊蔵さんはうれしそうです。
「退職金が予定通り2000万円出れば、退職時に住宅ローンはぜーんぶ返せちゃうってことですよね? いやあ、なんだかいろいろ悩んでましたが、心配することはなかったかもしれないですねっ! 毎月返済額が13万円台というのは今の家計を圧迫しそうなので、30年返済にして、60歳になった時点で残りの1898万円、気持ちよく一括で返してしまいますよ! ナイス・アイデア!」
たしかに、住宅ローンは退職金で完済できそう。でも、退職金のほとんどをローン返済で使ってしまってもいいものでしょうか。きぃむら君の頭を不安がよぎります。気がつくと、伊蔵さんの隣で、妻の依代さんも心配そうな顔をしています。
QUESTIONA 「退職金も残しながら、退職後を楽にする方法はありませんか?」と妻の依代さん
<作戦2 退職金の一部で繰り上げ返済>
退職金でローンを完済してしまおうとテンションの上がっている夫に、妻の依代さんは言いました。
「退職金のほとんどを使ってしまうなんて不安……。ローンの返済がなくなるのは気が楽かもしれないけど、手元にまとまったお金もおいておきたいわ」
再就職をしたとしても、退職後は年収が減りそうなわけですから、依代さんの心配ももっともです。きぃむら君は、次の作戦を提案してみました。
「退職金の一部を使って繰り上げ返済をし、毎月返済額を少なくするというのはどうでしょう?」
きぃむら君は再びシミュレーションを始めました。
「500万円を繰り上げ返済すれば、返済額は毎月約2万5900円も減らすことができるんですね! これなら手元に1500万円が残るし、毎月の返済もあまり負担にならないかも」
と、妻の依代さんは、繰り上げ返済の効果にびっくり。
「そうだね。いくら繰り上げ返済をするかは、再就職先が決まって、退職後の収入の見当がついてから決めてもいいかもしれないね」
夫の伊蔵さんも、返済方法にもいろいろあることに感心しているようです。
「ただ…この方法にも問題があるんです。繰り上げ返済で毎月返済額を減らしたとしても、伊蔵さんが80歳までローン返済が続くんです。ちょっと負担を感じませんか?」
というきぃむら君の言葉に、家星夫妻は「たしかに…」とうなずいています。
「返済期間をどう短くしていくかについても、考えておいたほうがいいかもしれませんね」
次回は、期間短縮型の繰り上げ返済の活用などについて勉強していきましょう。
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